いま美酒をてのひらで

いま 美酒をてのひらで
あたためながら ゆらりゆらり
過ぎた昔 とどまるこの日
そして おぼろな未来も想う

人恋し 君恋し 夢恋し
くちびるふれた 乙女の匂い
また よみがえる

青春はきらきらと
人生はしみじみと
琥珀色した 美酒飲めば
泪も ひとしお熱くなる

いま 美酒を鼻先で
揺らして眠る とろりとろり
肩を抱いて 語った夜と
そして 儚くこわれた朝を

人恋し 君恋し 夢恋し
いとしきひとの 恨みの言葉
まだ 消え残る

悲しみは あざやかに
しあわせは おぼろげに
グラス倒して 美酒こぼし
吐息もいつしか 重くなる

いま 美酒をてのひらで
あたためながら ゆらりゆらり
ゆらりゆらり‥‥
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