青春挽歌

川の流れは二人を欲しがり
黒い水面を見つめさせる
短い秋の終りになって
つめたい風が吹くころに
暖め合う気になれなくて
明日の覚悟を決めながら
二人は並んで歩いている
愛さえあれば こうならず
愛がこわれて こうなった

灯りの消えない街を選んで
それが希望と信じて生きた
せまい部屋に花を飾って
季節だけは忘れずに
雨が降る日は 雨を見て
風に吹かれて歩けたなら
二人はやさしいままだった
愛さえあれば こうならず
愛がこわれて こうなった

時の流れが二人を切り裂いて
別れになったと言えたらいい
長く思えた暮らしが終わり
別々の道を行くときに
互いの目を見て もの言えず
昨日が今でも愛しくて
二人は今日を生きている
愛さえあれば こうならず
愛がこわれて こうなった

愛さえあれば こうならず
愛がこわれて こうなった
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