なさけ雨

忍ぶ恋路に 灯(ひ)をともす
七湯城崎(ななゆきのさき) 宿あかり
水の流れを 眼(め)で追って
並ぶふたつの 影と影
そっとあなたに 抱きしめられて
胸に降ります なさけ雨

濡れて駆け込む 軒先(のきさき)に
あの日運命(さだめ)が 雨宿(あまやど)り
一目(ひとめ)逢うなり 恋に落ち
呼んで呼ばれる いで湯町
もみじ色づく 季節になれば
思いだします なさけ雨

雪見障子(しょうじ)の むこう側(かわ)
七湯城崎(ななゆきのさき) 夜(よ)が明ける
いいの別れが 待とうとも
百も承知の 茨道(いばらみち)
傘に寄り添い ふたりで歩く
外湯(そとゆ)めぐりの なさけ雨
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