酔歌…追伸

北の雪降る 海風を受けて
夢を語った 津軽(ふるさと)の海よ
吹雪く中でヨ くちずさむ唄は
父が教えた ソーラン節よ

青い空とヨ 菜の花の畑ヨ
春の風とヨ 故郷(ふるさと)を捨てた
老いたおふくろ 立ちつくす駅は
雪がぱらつく 青森の駅よ

惚れた女が 18で死んだよ
都会(まち)のはずれで ひとりで死んだ
秋の雨にヨ むなしさの衿を
立てて 歩いた 新宿の街よ

言える苦労は 苦労とは言わぬと
胸に秘めたる 死ぬまで胸に
酒に溺れて 眠りつく夜は
遠い昔が 涙でくもる

ぽつりぽつりと 降りだした雨に
男は何故か 女を想う
ひとりひとりで 飲みだした酒に
夢を浮かべて この胸に流す
ヤーレン ソーランよ 都会の隅で
ヤーレン ソーランよ 今夜も酒を

風に風にヨ 暖簾巻く風にヨ
遠い故郷(くに)のヨ 父親(おやじ)を想う
ふらりふらりと 居酒屋を出れば
冬の近さが 心に吹くよ
ヤーレン ソーランよ 雨から霙(みぞれ)
ヤーレン ソーランよ 今夜も酒を

ふわりふわりと 降りだした雪に
この手当てれば おふくろを想う
詫びて合わせる 右の手と左
酒が降らせた 男の涙
ヤーレン ソーランよ 積もり行く雪に
ヤーレン ソーランよ 今夜も酒を

ヤーレン ソーランヨ 積もり行く雪に
ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を
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