洲崎みれん

胸の寒さか 恋しさなのか
夜汽車に揺られて 館山駅(たてやま)に
燈台灯かり 靄(もや)のなか
酔えば 酔えば 洲崎みれん
あの日泊まった 舟宿で
ひとり手酌で 呑んでます

惚れているから 諦められず
はまゆう一輪 差して待つ
霧笛の帯が 沁みるよな
追えば 追えば 洲崎みれん
いつか逢える日 祈るよに
風につぶやく おんなです

空は時雨れて 面影濡れて
想い出数えりゃ またなみだ
蛇の目の傘に 身を寄せて
泣けば 泣けば 洲崎みれん
募る想いを 抱きしめて
明日の潮路に 託します
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