花の一生

人を愛する しあわせと
一緒に覚える 切なさも
吐息で曇る 手鏡を
小指で拭いて 口紅(べに)をひく
女は恋を 知ったとき
初めて女に なると言う

他人同士の 所帯なら
時には雨にも 嵐にも
笑顔を見せて 一歩引き
相手を立てる ことを知る
女は妻に なったとき
本当の女に なると言う

他に比べる ものはない
お腹を痛めた 宝物
愛(いと)し子守る ためならば
命を捨てて 悔いはない
女は母に なったとき
負けない女に なると言う
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