冬眠

雨の上がる校庭で昨日の花火を思い出した
あの時の君のぼうとした顔、風にまだ夏の匂いがする

秋になって 冬になって
長い眠りについたあとに
雲に乗って 風に乗って
遠くに行こうよ ここじゃ報われないよ

花の揺れる校庭で昨日の夕陽を思い出した
あの時の透けて凜とした君 頬にまだ夏が残っている

春になって 夏を待って
深い眠りが覚めた頃に
水になって 花になって
空を見ようよ 言葉とかいらないよ

神様なんていないから
夢は叶うなんて嘘だから
仕事も学校も全部辞めにしよう

忘れることが自然なら
想い出なんて言葉作るなよ
忘れないよう口に蓋して

君を待って 夏が去って
いつか終わりが見えるころに
雲に乗って 風に乗って
眠るみたいに ただ

秋になって 冬になって
長い眠りについたあとに
雲に乗って 風に乗って
遠くに行こうよ

ここじゃ報われないよ

君とだけ生きたいよ
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