逢えてよかった

窓を開けてくれ
指の巾くらい
そこから聞こえる波音が
過ぎたいい刻 運んでくるよ―
心配してたさ いつだって
本当は泣き虫 気弱なくせに
突っぱりかげんの
おまえのことを
逢えてよかった よかったよ

あれは出船だろ
汽笛が沈んでる
いろんな別離もあるけれど
海の別離は ひときわ染みる―
それほど変わっちゃ いないけど
いまだに独りさ いろいろあって
語りつくせぬ
ダブルのロック
逢えてよかった よかったよ

互いにそろそろ このへんで
港が恋しい 二人じゃないか
乾杯しよう
いつかのように
逢えてよかった よかったよ

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