かぜだより

花の匂い 風に乗って
久しぶりだねって 挨拶してる
休み時間 二階窓から 空色散歩

絨毯のような 雲に乗って
どこか遠くへ 飛んで行けるかな
そんな夢を いつの間にか
見なくなったんだ

凸凹な大きな机と椅子
世界への扉

きみどり色に染まる 外の街の景色
駆け抜けてゆく 風は優しくて
季節を結ぶように僕らの間
繋いで欲しい 少しずつ

包み込むような 空たどって
タイムマシンで 飛んで行けたらな
そんな夢に いつの間にか
うとうとしていた

にぎやかな教室に揺られ不意に
あの日が滲んだ

うすべに色に染まる
外の街の景色
通り過ぎてく
風が花をさらうよ
季節を押すように 僕らの間
近付けて欲しい 今すぐに

きっと前から僕ら
知りたくて
それでも動き出せない
ずっとこのままでもいい

午後のチャイムが鳴る
窓から見える校庭
ふとした瞬間 風が止まって
何かがじんわりと 浮かんでは消えて
風にあずけた サヨナラ

きみどり色に染まる外の街の景色
駆け抜けてゆく 風は優しくて
春を起こすみたいに 僕らの間
暖めて欲しい 少しずつ
×