ROSE

時の砂場で やっと聴こえた
柔らかな鼓動の音 触れることさえできない
愛の陽炎 裸足で 駆けて行く
あなたとは反対側 追いかけた 春の日

風の中を 砂が舞った もしこの世がビンの底なら
逆さにして 何度でもあなたと明日を描くのに

愛し欠けた月 最後にください
ほんの一秒を ほんの一秒を
剥がれ堕ちた星 頬を伝い
暁を照らした

春の運命は いつも歪で
無くしたくないものほど
うまく抱きしめられない
宙に残った あなたの息吹は
悲しみを何度だって
誤魔化してしまうの

いつの間にか歳をとって
いつかきっと 会いにいくから

変わる事を 恐れずに その日を
待っていて欲しい

愛した分だけ 最後に綴って
ほんの一行を ほんの一行を
音のない言葉 繰り返し
あなたを確かめた

愛し果てた月 最後に笑った
ほんの一秒を ほんの一秒を
届かない星は いつの日も
暁を照らした
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