母衣

あんたさえ 良けりゃ
わたしはいつも しあわせよ
それが口癖 無口な母は
やさしい笑顔の 衣の中に
すっぽり包んで 唄ってくれた

ネンネコしゃっしゃりまーせ
寝た子の 可愛いさ…

あんたさえ 咲けば
わたしはいつも 春ですよ
母の気強い その一言が
どんなに人生 沈んでいても
歩く勇気を 与えてくれた

どうすれば いいの
あなたのいない ふる里の
母は夜空の あの星あたり
不幸な娘の ざんげの歌を
きいて笑って くれるでしょうか
くれるでしょうか

×