クローバー

東のはて 西のはて
それぞれの島で
水の音に守られて
ひびきあう ふたり

ああ エメラルドの手紙が着く
波のようなその文字の 淡いインクに

静かにあふれてくる
こぼれていた時間が
花を見て 月を見て
まよわずにほほえんで

部屋の隅で曲がる陽だまり 遠い写真

白ツメクサ 咲く道で
うつむいたあなた
あの日のまま その意味を
見つめてたわたし

ああ カーディガンの季節は過ぎ
つぼみがまたふくらんだ 細い枝にも

新しい恋人に
よろしくと伝えてね
花を見て 月を見て
かわらずにほほえんで
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