はじめまして、ばぁちゃん。

ねぇばぁちゃん はじめまして 今日もあなたに会いにきたんだよ

「どちら様かは知りませんが 今日も晴れててよかったです」
言ってる外は土砂降りだよ
山本さんって呼ぶけれど それは親戚のおじさんだ
僕はあなたの孫なんだよ

幼い頃はうちに来たら
あと1日だけ泊まってよと カバンを引っ張り困らせたね
ばぁちゃんがつくるしっかりと握り込まれたおにぎりとおはぎは僕の大好物

きっと些細なことだけれど 僕にとっては忘れられない思い出

ねぇばぁちゃん はじめまして 今日もあなたに会いにきたんだよ
ねぇばぁちゃん はじめまして そっと今 小さな手 握った

買い物行く時にはいつも バスに揺られて隣町へ
親に内緒でお菓子をくれた
ばぁちゃんのうちに行くたびに 家の中を走り回り
いつもどこかをケガしていたね

きっと僕の名前さえも もう呼べないけどその声は(ずっと)
その声は響いてる

今ではいつも布団の上 何を考え何を思う 時折鼻歌 奏でたり
じゃあねまたねと手を振るたびあと何回会えるのだろう
そんなことが頭をよぎる

これは僕のわがまま わがままかもしれないけれど
もし僕に子供が生まれたのなら
僕にしてくれたようにその子をあなたに優しく
抱いて抱いてほしいんだ

ねぇばぁちゃん ありがとうって 言葉は消えてしまうけれど
ねぇばぁちゃん 溢れ出した この想いは 届いてるよね? ばぁちゃん
次会ってもはじめましてを交わそう
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