湾岸二季物語

冬凪ぎの防波堤
無理に笑顔 かざりながら
波間に石を飛ばす 物憂げな君さ

“あれから……”と言いかけて
不意に涙を押しあてる
君の罪な無邪気さ変わっていないね

もう二度とは 逢えはしないと
別の温もり 選んだ俺だよ

切ないムード抱けば
瞼から落ちる雪は止まず
歩き出せない冬が
苦い愛を閉ざすだけさ

夏のベイサイド・ヴィラ
沖の船をながめながら
ギムレットに妖しい口唇(くち)をあててたね

ただめまいと 眩しさの果て
君のすべて焼きつけた八月

誕生石の色を
迷いながら 囁いたあとで
優し過ぎると泣いて
夏の行方 消した君さ

切ないムード抱けば
瞼から落ちる雪は止まず
歩き出せない冬が
苦い愛を閉ざすだけさ
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