バルバラ

キリンの首は長いって君が教えていた
どこか遠くで鳴ってるサイレンが悲しいね
色とりどりの包帯 すべて身に纏って
6000年もの間を待ち続けてたのさ

三つの窓眺めて 背に受ける太陽
しかめっ面の僕と照れている少女

バルバラ 水を含ませるように枝を折ってごらんよ
バルバラ 悲しみ分け合うように片っぽだけおくれよ
バルバラ 恋をひるませるような風は忌み嫌うけど
バルバラ 恋を育み支える雨ならもっと降ってよ
そして麦は咲いた

さあお迎えがきたね 君は月に帰った
誕生日も聞かないで思い出の住人へ
僕は暖房の世界で身を縮めてるけど
君はずっと楽しそうに水を浴びてるんだね

列車はゆっくり進む 砂漠の間
サボテンの棘には 親子の愛情

バルバラ 憎むのは人じゃなくて時代のせいにしたよ
バルバラ 自由を失うような神ならいらないよ
バルバラ 羊飼いを振り切って夜を走り抜けたら
バルバラ 白い薄絹を巻いた君を抱きしめよう
そして麦は咲いた

色んな味の風を口に入れたら
味覚がしょっぱさしか感じなくなって

バルバラ 水を含ませるように枝を折ってごらんよ
バルバラ 悲しみ分け合えるように片っぽをおくれよ
バルバラ 恋をひるませるような風は忌み嫌うけど
バルバラ 恋を育み支える雨ならもっと降ってよ
そして麦は咲いた
なぜか僕は泣いた
美しく笑った
白い君に逢った
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