夜の桟橋

波間に投げた 指輪のように
恋の未練が なぜ捨てられぬ
夜の桟橋 出船も絶えて
漁火数えて 溜め息ついて
恨んでも憎めない やる瀬ない
女心の 哀しさよ

男はいつも どこかへ帰る
今度こそはと 信じてみても
夜の桟橋 はぐれた海鳥(とり)よ
おまえも一人か 淋しかないか
ぬくもりを恋しがる 追いかける
女心の 重たさよ

港で拾う 幸せなんて
風の吹きよで 運命(さだめ)も変わる
夜の桟橋 海鳴り聞けば
涙がひとすじ 面影揺れて
あのひとを諦めりゃ ブイも泣く
女心の 儚さよ
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