遠い花火

よく似た背中に 思わず駆け寄る
問わず語りの夢ひとつ 影は消えてく
花火に誘(いざな)う 人波はなれ
ひとり見送る 夏の終りを

なつかしい腕のなか 咲いた遠い花火
会えなくなるのが いつも怖かった
くりかえし泣くたびに あなたに近くなる
短い夢から 今も醒めない

溜息ついたら しあわせ逃げると
言わずもがなの歯がゆさに ちょっと笑った
わたしと出逢えて しあわせだった?
少し遅れて あなたも笑った

永遠を閉じこめて 咲いた遠い花火
忘れられるのが とても怖かった
こみ上げる胸の奥 痛みは消えるのに
はかない光は まだ燃えのこる

なつかしい腕のなか 咲いた遠い花火
会えなくなるのが いつも怖かった
くりかえし泣くたびに あなたに近くなる
短い夢から 今も醒めない
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