おてもやん

おてもやんあんたこの頃
嫁入りしたではないかいな。

嫁入りしたこたしたばってん
御亭主が菊石平ぢゃっけん
まだ盃せんぢゃった。

村役鳶役肝入りどん
あん人達の居らすけんで
あとはどうなときゃあなろたい。

川端松っあんきゃめぐらい
春日南瓜どん達あ尻ひっぱって
花盛り 花盛り。

ピィツクパーツク雲雀の子
ゲンパク茄子のイガイガドン。

一つ山越えも一つ山越えあの山越えて

私ぁあんたに惚れとるばい。
惚れとるばってん言われんたい。
追い追い彼岸も近まれば
若者衆も寄らすけん

熊本のよじょもん詣りに
ゆるゆる話をきゃぁしゅうたい。

男振りには惚れんばな
煙草入れの銀金具がそれが因縁たい。

アカチャカベッチャカ
チャカチャカチャ。

一ツ世の中艱難辛苦の荒波越えて

男の度胸でおいでなさい
くよくよしたとてしょうがない
いつかは芽も出る花も咲く

うつり気の浮世のならいに
取越し苦労はおやめなさい

なやみなんそはコチャ知らぬ
意地とはりの心がそれが後所楽たい。
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