織江の唄

遠賀川(おんががわ) 土手の向こうにボタ山の
三つならんで見えとらす
信(しん)ちゃん 信介(しんすけ)しゃん
うちはあんたに逢いとうて
カラス峠ば越えてきた
そやけん
逢うてくれんね 信介しゃん
すぐに田川に帰るけん
織(おり)江(え)も おとなになりました

月見草 いいえそげんな花じゃなか
あれはセイタカアワダチ草
信ちゃん 信介しゃん
うちはひとりになりました
あすは小倉の夜の蝶
そやけん
抱いてくれんね 信介しゃん
どうせ汚れてしまうけん
織江も おとなになりました

香春(かわら)岳(だけ) バスの窓から中学の
屋根も涙にぼやけとる
信ちゃん 信介しゃん
うちはあんたが好きやった
ばってん お金にゃ勝てんもん
そやけん
手紙くれんね 信介しゃん
いつかどこかで逢えるけん
織江も おとなになりました
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