月形半平太の唄

風に白刃の 音がする
京はおぼろの 春の雨
濡れてゆくのは 誰じゃやら
姿 月形半平太

寄らば切るぞと 構えても
切るに切れない 恋の糸
加茂の柳が すゝり泣く
河原瀬音の むせぶ夜

くゞる刃の その下で
明けの東雲 鐘が鳴る
聞いてにっこり 花と散る
男 月形半太
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