Floor

夜を泳ぐように生きて、
つめたい灯りを受けて、
同じ色をした息が消えてゆく雨の果て。
ありふれた歌が鳴るなか、
見つけたあなたの姿は光と影のまやかし。

つたない言葉を探してはうつむくばかり。
呼吸のしかたさえも忘れそう――少しだけ待って。
折り重なる雑音に溺れて悪酔いしてるわたしの耳に、
そっとあなたの声だけ教えて。

アイス・キューブが溶けるまで黙ったまま、
あなたのその踵が跳ねた床の上。
誰かが捨てた吸い殻が灰になるのを見つめてた。
想いは綺麗なあやまち?

気のないそぶりをしないでと願ってみても、
なにも伝わるはずはないとわかってるけど……。
わたしの知らないビートにずっと夢中なせいで、
あなたの心にいつまでも近づけやしないよ。

繰り返されるダンス・ミュージックに
ジャスト・チューン・インして踊り明かせたら、
繰り返されるダンス・ミュージックはもういらないはずだと思ってた――
だけどそれは違って、どうも隙間が埋まらないや……。

カクテル色の光線のなか、
揺れるあなたとわかちあえない切なささえも甘くて苦い。
ピント外れの幻でも愛してるから、
胸の奥に焼きついたままどうか消えないでいて。
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