冬列車

そして 夢は断ち切られて
愛に逃げられてゆく
どこを探せばいいのか
誰も教えてくれない

僕を迎えに来たような
黒い汽車が今着く
隙間だらけの鞄
音を立てる カラカラと

曇った窓に 懐かしい町灯り
指で擦ることもせずに
うしろ向きの席に座る

揺れる汽車が誘う眠りに
瞼 おろせばきっと
君と暮らした日々が
夢のつづきになるだろう

最後に触れた あたたかい掌の
ぬくもりが消える頃
本当の哀しみに出会う

長いトンネルの出口を
窓を閉めきって待ち
次の駅も知らない
旅がこうして始まる

愛していたんだ 最後までずっと
もう君はいないけど
好きだ さよなら
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