お茶の水シャンソン

細い路地裏 緑も萌えて
溢れ日の中に蘇る 若き日々よ
ボードレールを抱えた少女
あの人が来ることを待っている
今でも 目を閉じれば聞こえてくるわ
異国の男と女の 愛の物語

移ろいやすい季節が
淡い恋心を歌うように
シャンソンが似合う街 お茶の水

学生達も言葉のない詩人に見える

坂道おりると古本街が
私を誘うように
訪ねたい あの日の店
解りもしない難しい本を
無いお金をくずしては探していた
今では すれ違う人達の顔も
おもかげ残すものはない
幻のよう

枯葉の道とレンガのビルが
想い出を連れてくる
シャンソンになりそうな お茶の水

聖橋から眺める河もセーヌに見える
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