環状線

環状線から 曲がってって
だんだん 空が赤く染まった
十号線から 伸びていって
知らない街まで 続いてった

安全圏は どこにもなくて でも
とにかく ここにいたくなかった
境界線すら 越えていって
点から 線へ 円になった

ガラスに 映った 景色が 流れて
トンネル 抜けたら 遠くまで

環状線が 暮れなずむ街を
一直線な 光 灯して 進んだ
ラジオからビート クラクションの合唱
続いていく

環状線が すれ違った街を
たったひとつの 線で 繋いで 結んだ
浮き上がるシート 信号が発光
何周でもできる

環状線は 街を縫って
できてるみたいと きみは言った
栄光に 向かって 走った
あの列車には 乗れなかった

終着点は どこにもなくて でも
ひたすら きみを追い掛けてった
環状線は いつも決まって
ぐるぐる回って 輪を描いた

ガラスに 映した 夜空を 眺めて
スピード 上げたら 近くまで

環状線が 煌めいた街を
数多くの 点を 残して 進んだ
ラジオからビート クラクションの合唱
続いていく

環状線が また同じ街を
たったひとつの 線で なぞって 結んだ
浮き上がるシート 信号が発光
何周でもできる
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