都会の雨

酷い雨 傘も無いまま
私は 空を見上げた

都会では 雨の匂いも
忙しく 忘れてしまう

貴方を 思い出すには
お似合いの 黒い空です

この身体も この気持ちも
もう 要らないよ

9月の雨には
まだ少し夏が残っていて
私の心に
よく似た無様な泣きっ面だ
…苦しいよ

例えば
洗えば また汚れるし
渇けば また潤うよ

気付けば 時間は過ぎて
思い出す 日々はモノクロ

痛み止めも 苦い粉も
もう 効かないよ

嬉しい事なら
直ぐ側にいつもあったけれど
気付けば私は
悲しい事だけ数えていた
…苦しいよ

降り続く雨が
溢れる涙を攫っていく
どうして今まで
気付かない振りを
していたのだろう

この日々はいつか
何より正しい過去になるよ
明日の私を 未だ見ぬ私を
願っていよう
また明日

会えるよ

逢えるよ
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