パン

アタシはなんにもなれなくて
小さな声 朝日を待っていた
それでも望まぬ雨は降り
凍えながら光探した

届かぬならば いっそ

かじかんだ手を 温めるように
失くしたものを 見つけ出すように
貴方がもしもアタシと同じ
気持ちならいいと歌い願うの

アタシは誰にももらわれず
朽ちていくだけのただのパンだった
似たような姿形だから
膨らみながら 諦めて

愛など知らず どこか遠くまで

かじかんだ手を 温めるように
失くしたものを 見つけ出すように
貴方がもしもアタシと同じ
気持ちならいいと歌い願うの

何万回も貴方を呼んで
泣きながら愛の歌を歌う
誰のものでもないこの声が
貴方だけに届けば良いのに

貴方だけに届けば良いのに
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