淡雪の人

暮れる街を淡い雪がつつむ
あなたは今 同じ笑顔で
元気かと私に訊く
時計気にかけながら

伏し目がちに前髪かき上げる
その癖なら変わらないけど
左手光る指輪が
過ぎた月日を教えてる

憎しみに似た気持ちが静かに
私の胸に雪を降らせるのは
あなたに背中向けたあの日の
わがままを許せないから

肩に落ちた白い欠片たちは
遠い過去にしてきた罪を
あなたに償うために
きっともう一度出会わせた

寂しさじゃない痛みが今でも
心の奥を濡らし続けている
あなたがくれた愛の深さに
気が付いてしまってからは

憎しみに似た気持ちが静かに
私の胸に雪を降らせるけど
もう積もらない あなたの愛は
冷たくて ただ儚くて
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