お立ち坂

お前お立ちか…

馴れぬ仕草で 三つ指ついて
行って来ますと 目になみだ
他人行儀を 叱ったはずが
知らず知らずに 男泣き
花嫁すがたの 
娘旅立つ お立ち坂

いつも女房に 叱られ通し
娘贔屓(びいき)の 男親
彼に会ってと 言われた時は
やけの深酒 二日酔い
眠れぬ夜更けに
ひとり歌った お立ち酒

嫁に出そうと 娘は娘
家を出ようと 実家(さと)は実家(さと)
何かあったら いつでもおいで
親の役目に 終わりなし
花嫁かんざし
揺れて消えてく お立ち坂
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