夜の森

花が雪のように降る頃
戻ることはまだ叶わなかった
祈りが風に乗って届いたら
静かにまぶしさを思い出して いつか
夢を語り合おう
ここで

羊歯の群れが囁くように
眠る夜はいつもと変わらない
時間だけが ただ過ぎてゆくのならば
だれかにこの悲しみを伝えて すぐに
屋根を照らしている
月よ

夜の流れが歌を運び
夜の森は花に沈んだ
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