ひと夏の長さより…

八月のレインボーブリッジ
ここから眺めながら
僕たちは恋をした

でも何から話せばいい?
ただ隣に腰掛けて
ぎこちなく風に吹かれた

一緒にいる その幸せが
ずっと続くと思った
やがて季節は過ぎるものと
気づいていたのに…

ひと夏の長さより
思い出だけ多過ぎて
君のことを忘れようとしても
切り替えられない
何度も着たTシャツは
首の辺り 伸びているけど
腕に強く抱いた
君のことは忘れられない

台風で中止になった
花火大会なんて
どうだってよかったんだ

始まったら終わってしまう
当たり前の出来事も
できるだけ延ばしたかった

かき氷が溶けたこととか
金魚すくいの下手さも
君の浴衣の可愛さとか
喧嘩したことも…

この夏は特別だ
僕にとって意味がある
今までとは比べられないほど
大切な時間
愛し合ったこの日々は
種の多いスイカみたいだった
そう思い通りに
行かないのが人生なのか

肌寒い秋風が吹いても
もう少し Tシャツがいい
カーディガンを着たくはない
君と恋した夏

来年の夏はまた
きっとここに来るだろう
愛するとは言葉はなくていい
そばにいることだ

ひと夏の長さより
思い出だけ多過ぎて
君のことを忘れようとしても
切り替えられない
何度も着たTシャツは
首の辺り 伸びているけど
腕に強く抱いた
君のことは忘れられない
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