花火

台風が過ぎて 街は風を感じていた
僕は急ぎ足で 人波をかき分けた
東京の空に 今夜花が咲くらしい
空は待ちわびている 雲ひとつないまま

忙しい毎日に 追われて眠るだけ
それらしい言い訳で 置き去りにしてる夢の跡

誰もが優しいけれど 誰もが寂しいから
居心地の良い場所にそっと 流れている
僕らはあてもなくて 何かに寄り添うから
あの日見た花火思い出して

大人になっていく
それに気付かず 空を見上げてた
振り返る暇もないままに

溢れ出す人は 楽しそうに歩いてる
僕は何かを探して 走り出していたんだ

何食わぬ表情で日々を過ごしている
忘れられないのに 忘れたフリしている夢の先

明日もまた続いていく 今日の続きだけを
知らず知らずの内にきっと 繰り返してる
僕らはそれでもまだ 何かを信じたいから
打ち上がる花火眺めてた

色とりどりの
花が咲いている 空に見惚れてた
あの頃の僕に会いにいく

確かに聞いていた 夏が終わる音
繰り返し鳴り響く 胸の奥を締め付ける音だった

誰もが優しいけれど 誰もが寂しいから
居心地の良い場所にそっと 流れるけど
僕らはあてもなくて 何かに寄り添うから
あの日見た花火思い出して

大人になっていく
それに気付かず 空を見上げてた
振り返る暇もないのなら 前を見て歩こう
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