北斗七星

電磁波の届かない空 北の果てのあぜ道
荷物をかかえた織姫を包む
停留所のあかり

うつむき顔をのぞき込み
大人になった君の瞳を横切る都会の記憶に
そっと息を飲んだ

星が導く 僕たちの幕が開けるよ
草むらに潜むオーケストラが
頷きあって つむぐBGM

北斗七星 君が探してるあいだに
新しい歌をおぼえるよ
今の君に釣りあうように

広げた僕の手のひらに飛び乗る天道虫
背中の小さな羽をしまえずに
息をひそめている

北極星を目印に帰り着いたその夜
誰にも見えない羽をはためかせ
君はまた行くのか

星を乗り継ぎ 僕たちはさまよいながら
いつでも時を遡り
帰ってゆける この夜空に

北斗七星 君が探してるあいだに
流星を空に放つよ
いつか共に暮らせるように
×