思い出より遠く

白いカレンダー 壁に残したまま
住みなれた私の部屋 越してゆく
ひとりで暮らした
気ままな寂しさも
あなたと別れてから 変わったの
二度と会わないと 受話器置いて
ずっと眠れずに 泣いたあの日
もう私たち
思い出より遠いかしら
忘れるのは 待つことより悲しいかしら

ふたりで写した 写真は少なくて
あと何度 見なおしたら すてられるの
音の聞こえないスクリーンが
ふいに胸の中 流れだす
ねぇ私たち 長い夢を見たのかしら
許すことは
悔やむよりも悲しいかしら

もう私たち 思い出より遠いかしら
ほほえむのは
泣くことより悲しいかしら
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