鴛鴦道中

堅気育ちも 重なる旅に
いつか外れて 無宿者
知らぬ他国の 黄昏時は
俺も泣きたい ことばかり

染まぬ縁談(はなし)に 故郷をとんで
娘ざかりを 茶屋ぐらし
茶碗酒なら 負けないけれど
人情からめば もろくなる

かたちばかりの 鴛鴦姿
ならぶ草鞋に 風が吹く
浮世あぶれた やくざな旅は
どこで散るやら 果てるやら

泣くも笑うも ふところ次第
資金(もとで)なくした その時は
遠慮要らずの 女房じゃないか
丁と張りゃんせ わしが身を
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