金木犀の雨

秋の夕暮れ ほのかに香り
君の涙を 連れて来る
あの日電車に 乗り込む僕が
帰らないこと なぜか君は知ってた
雨に打たれて 金木犀が
駅を黄色に 染めていた
わずかな雨に 花散るなんて
青春だねと 君が泣いてた

若い季節は おどけてばかり
明日が来るのに 目を背け
リンゴ二つと 薄い毛布で
二人暮らして 行けるそんな気がした
雨に打たれて 金木犀が
今もはかなく 匂い立つ
か細い肩に 降りそそぐ花
そのまま抱いて いればよかった

雨に打たれて 金木犀が
遠い記憶を 染め上げる
わずかな雨に 花散るなんて
青春だねと 君が泣いてた
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