赤い玉の伝説

張りつめる鼓動が締めつけ
歴戦の豪傑も汗ばむ
生まれたままの茜のふちどりは
凶器のように そぎすまされて

世にも艶やかな女神に見える
夢の中まで二人連れ

ほとばしる打ち止めの気配
空蝉の幻が揺らめく
抜けば露散る氷の刃も
気づいた時は 最期の雫

今に生まれそうだ 悪魔の種が
躍る刺青の中で
せめてお前だけは 野性のままに
赤い玉を抱いて

風車は回る 陽炎の中 ゆらゆら風に吹かれて
その姿は焔に浮かぶ 弥勒のように

とどけ死の淵まで 猛り続けよ
巡る因果の中で
今に生まれそうだ 悪魔の種が
躍る刺青の中で
世にも艶やかな女神に見える
夢の中まで二人連れ
せめてお前だけは 野性のままに
さらば伝説の赤い玉

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