ペイパー・ドリーム

夜が両手に あふれた時
誰も知らない 二人のワルツ
遠くの街は 薄化粧
風さえ戻ってく女に
夢にゆれる指先
二人だけの旅へと
白い馬に股がり
シャガールの絵のように
真夜中だけ 私は天使
明日に続かぬ愛の
眠る森の美女を起こすの誰
しのびよる朝の光に
急いで眼を閉じてみたけれど遠く
消えていく あなたの姿

ひとり色違う夜の中で
青いジープが 二人を誘う
マストで叫ぶカモメにも
優しくなれるのは不思議ね
夢に触れる指先
二人だけの旅へと
ローランサンの風が
肌の中までしみる
真夜中だけ あなたはロミオ
優しい口づけ残す
眠る森の美女を起こしたのは あなた
消えてゆく夢物語
静かに眼を開けてみたければ今朝(けさ)も
遠ざかる あなたの姿
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