あの頃の僕は君にとってどう見えるかい

バイトでしぼられ そして家に引きこもり
うだつのあがらない 童貞だったあの頃の僕
バイトやサークルで忙しい友人を横目で見ながら
石川啄木のように じっと手を見ていた十八の頃

あの頃の僕は君にとってどう見えるかい
十八の頃の僕の評価は一体いくつだい

二十歳の頃の僕は 人の気持ちを分からずに
ただただ ブラックなジョークで人を馬鹿にした
十八、十九の不遇期を人に見せないように
ただただ 自分を大きく見せるためだけに人をこけにした

あの頃の僕は君にとってどう見えるかい
二十歳の頃の僕の評価は 一体いくつだい

メンバーが固まり バンドが順調になってきて
少し遅い青春が始まった二十一、二歳
唄うことの楽しみを少し覚えかけたその時に
彼女にフラレ唄う苦しみを知った

あの頃の僕は君にとってどう見えるかい
バンド小僧になった あの頃の僕の評価は一体いくつだい

ブームの波に飲まれ 自分というものを見失い
酒におぼれ くだをまいたバンド全盛期
酒の味を女の味を覚えたコザック前田が
パニック前田になったあの二月のよう

あの頃の僕は君にとってどう見えるかい
理想と現実のギャップを君は知っているかい

最近のこの僕はこれがまた情けなく
うだつのあがらない 本当にただのボンクラです
でも少し人の気持ちが 前よりも分かるようになってきて
それと同時に自分にも 少し甘さが減りました

あの頃の僕は君にとってどう見えるかい
あの頃の僕は君にとってどう見えるかい
最近のこの僕は少し変わって見えるかい
こんな僕でも君の心に 少し残ってるかい
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