わすれられんぼ

明後日から飛び交う雨に
俯いて 転んでまた
鈍色になって走っていく

わかっていたよ
知られることが増えるほど
増えるんだ 忘れられることも

蹴り飛ばされて
踏みつけられて
子供の頃から死にたくて
自分すらも見失うのに

君の世界に居させてくれた
歌を歌えた
歪でも確かな愛情で

いいよ
君はきっとわすれんぼで
ボクはわすれられんぼ

だからいいよ
嫌われて 捨てられてかまわない
傘もない ゴミの向こう

思ったことうまく言えなくて困っちゃうな
思っちゃいないことばかり言ったことになる
好きなこと 好きなだけ愛していいんだよ
その中にボクがいなくたって

「できないだけのわけがある」
できてる人の言い分でしょ
「虐めを受けるわけがある」
虐める人の言い分じゃん

あれおかしいな 泣いてしまうな
あの頃の好きすら舌打ちして
そんなだめかな ボクはだめかな

嫌いひとつが積み重なって
深く抉った
既に空っぽの心臓を

いいよ
いやだなんて言えやしない
弱虫なボクのことは

消していいよ
嫌われて 捨てられてかまわない
捨てられる場所もない

わすれものしてませんか
してませんでしたか
不用品はまたどこか
わすれられていくだけだ
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