土曜の夜の小さな反乱

7時になると私の妻は悪魔のような声で
私をベッドから追い出そうとやっきになり始める
最近疲れが取れなくなった
朝食は絵に書いたようなメニュー
ミルクをもう一杯ついでくれ

9月になれば私もとうとう30歳になる
ぼやぼやしてるとこのままおっさんになってしまう
いってらっしゃいで歩き出して
ふと振り返る愛しい我が家
背伸びするようにアンテナがのびる

ほんの小さなきっかけで
すべて投げ出してしまえる
あなたならわかってくれるでしょう
もいちどどこかへ Starting Over

駅まで5分地下鉄で会社まで1時間
窓ガラスにぼんやり写る男の姿は
まるでそこに立っているのが
申し訳ないような顔だ
よく見てみなよてめえのツラだぜ

考えてみればいい時代なんて私にはなかった
数えきれないロマンスが目の前を通り過ぎた
浮足立った土曜の夜
今日は素直に帰りたくない
私はネオンに向って歩き出す

ほんの小さなきっかけで
すべて投げ出してしまえる
あなたならわかってくれるでしょう
もいちどどこかへ Starting Over

折り紙つきの悪共や女達がからみつく
私は道の真中を足早に歩き続ける
大変だみんな狂ってる
えらい所へ迷いこんだ
違います私は通りすがりです

鼻の頭に汗を浮かべて家に帰りついた
私は妻の太り始めた背中につぶやいた
おまえがいてくれてよかった
ここにいる限り大丈夫
おかしな気まぐれさえ起さなければ

ほんの小さなきっかけで
すべて投げ出してしまえる
あなたならわかってくれるでしょう
もいちどどこかへ Starting Over
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