フロムテンペスト

鉄の味が消えないで もうどれほど経ったのかと
騙し騙しの中で 調子の良いほうへ流れていく
浮かない他人の表情を見て 善い人のフリをすることで
互いの諸刃を削げるのなら それを悪いと言えるのでしょうか

答えのないものにまで 答えを用意して 示したがるのが悪いクセ
行き過ぎた道理に 胸が焼けるようで ごめん しばらく帰りたくはない

嵐が来るから早くして 出て行くならきっと今すぐが良い
「此処に居たいと言うおまえは 誰を気にしながら話しているんだ」
声が鳴り響いて いま 心の中を 覗かれた気がした

そちらの様子はどう? どうでもこうでもいいくせに
突ける核心を避けて 急がば回れに精を出す

はじかれたくはない 何かもわからずに 怯えてしまう弱さのせい
誰が悪いわけじゃない 仕方ないよだけど ごめん
要らないものは要らない

嵐が来るから早くして 出て行くならきっと今すぐが良い
「忘れたくないと言うおまえは どこに向かうために歩いているんだ」
激しく立つ風は いま 心の中を 見透かしていたんだ

嵐が来るから早くして 出て行くならきっと今すぐが良い
「此処に居たくない もう忘れたい」露のような叫びもすべて飲み込んで
追い風と変わった いま 僕を乗せて 舟が進みだした
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