瞼に残光、

「だってそれはあんまり無理じゃありませんか。
そんなことをする位なら、私はもう死んだ方がましです。
今すぐ殺して下さい。」
――宮沢賢治「よだかの星」より

燐の火の様な青い光がしずかにただ燃えている。
天の川を背に揺蕩う光はあの日読んだ夜の鳥。

地下鉄、行き場のない回送車両。残光、瞼にちらつく。
夜鷹は星に。じゃあ僕は一体何に?
名前に? 在る形に?

ずっとのぼってく。
僕も一緒に連れてってくれないか。

燐の火の様な青い光がしずかにただ燃えている。
瞼に残るあの残光は“逃げたかった”からじゃない。

ずっとのぼってく。
僕も一緒に連れてってくれないか。

燐火の様な青い光が静かにただ燃えている。
夜鷹の星は望んだからこそあの場所で輝いてる。
自ら選んだ色で。

選択するということ。
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