忘却の彼方

ティーンエイジのあの頃 無邪気だった
ただ黙って彼女と海を見ていた
間がもたないなんて思いもしなかったよ

それなのにいつの日か大人になり
そんな気持ちも忘れて必死になってた
君との会話 途切れないように…

忘却の彼方へと僕は流されてく
使い捨ての情報が入り乱れる都会で
目の前に立てられた偽りの標識
見破ることも出来ずに自分を見失っているんだ

ポケットで眠ってたコイン集めて
君の家に電話した真夏の夜
僕は使い慣れない文字を並べた

ぎこちないこの心 見透かす様に
そっと君は寂し気に呟いたね
“あなたの言葉で話してよ…”と

忘却の彼方へと流されてた
暗闇の部屋の中でうわべだけ着飾ってた
だけどもう迷わない 光が見えたから
汚れた服脱ぎ捨てて新しい季節へと向かうよ

目を閉じると あの日の海が広がるんだ
忘れていた想いが駆けめぐる

忘却の彼方へと僕は流されない
たとえオールが無くても泳ぎ切ってみせるよ
目の前に立てられた偽りの標識
この手で塗り変えながら新しい世界へと向かうよ
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