紅歌

今日も紅(べに)さし くちずさむ
いとしい人の 恋歌を
海鳴りが
まだ耳を突く 港宿
死ぬも生きるも
さだめあずけた 熱い肌

誰も悪くは ないよねと
グラスの底に しのぶ歌
雨の日は
まだあの人が 帰るかと
未練心で
鍵をはずして 眠るくせ

歌に流行(はやり)が あるのなら
流行の恋も できたのに
別れても
まだ憶えてる くちびるが
いのち紅々(あかあか)
かわることない 恋歌を
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