漁火慕情

揺れる漁火 ひとりで眺め
港を離れた 人を想う
俺を忘れて 生きろと言われ
泣いたあの夜が ここにある
惚れたこころが まだ熱い

かもめだったら かもめのように
戻っておいでよ 港宿
別れあっても 繋(つな)いだものは
切(き)れぬものだと 酒が云う
みれん涙が 乾かない

潮の香りを 私にくれた
あなたのやさしさ 数えてる
ここで待っても 待つだけ無駄と
悟(さと)すつもりか 漁火よ
燃えてせつない 波枕
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