夜霧の哀愁

噂残して 消えたから
噂信じて さがしに来たよ
霧が降る 巴橋に
面影呼べば
馬鹿な男の 頬さえも
濡らして 未練の露になる

泣いて乱れた くちびるの
紅を偲(しの)ばす 夜霧のネオン
せゝらぎも すゝり泣く
江(え)の川(かわ)辺(あた)り
どこの灯影に 身を寄せて
この俺 恨んでいるのやら

俺のコートに すっぽりと
あいつ包んで 歩いてみたい
霧が降る 霧が降る
三次(みよし)の夜は
愛の姿が 似合うから
涙にくちづけ させてくれ
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