心の夜汽車

ひとり手酌(てじゃく)の 日暮れ酒
胸の線路が 軋(きし)み出す
あかね色さす ふるさとへ
心の夜汽車に 乗り込めば
春まだ遠い 雪の駅
あの日別れた おまえが浮かぶ

今日も行(ゆ)きかう 人の波
夢を抱くやつ 捨てるやつ
呼んで届かぬ ビルの谷
心の夜汽車に 揺れながら
背中の丸い おふくろに
風の屋台で 半端(はんぱ)を詫びる

訛(なま)り隠さず 俺なりに
負けてなるかと 生きてきた
情(なさ)けひとつが 恋しくて
心の夜汽車の ベルが鳴る
いつかは帰る 田舎駅
白いコブシよ 迎えておくれ
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