Emma

痛いほどに澄んでいる夜の深みが密かに、言葉なき言葉で満ちてゆく。

あなたの好きなものを僕だけに教えてよ。
ひとつでも、いくつでも、全部でも、知っていたい。

「その手の温みに触れたい、
紅差す頬に見とれたい、
おんなじように息を呑みたい……」

そんな想いは言えなくて、
許されていない気がして、
見つめる先であなたの髪が銀河になっていた。

誰もいない遊園地――観覧車もカルーセルもふたりきりの、夢の中。

北の果てに降り積もる早すぎる雪を見たいな。
まっさらなあなたをまっさらな闇から見つけ出したい。

無理やりにでも連れ去りたい、
ずっと遠くへ逃げ出したい、
海辺の街でキスをしたい……。

「明日はどうしよう」なんて、
なにも思わない振りして、ゆだねて欲しいな。
朝になって、目を覚ますまでは。
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