あたたかくて甘い海

エンド・ロールを知らない夢のなか。
泳いでいる理想の魚たちは、淡い紅いひれをなびかせていた。
甘い曖昧――この寂しさはなんで?

乳白のカーテンの向こう側へ連れ出して。
術ならなんだっていい。

心から体まで、繋がらない言葉が駆け巡る
――たったひとつだけ伝えたくて。
その胸にあの海を抱えてここまできてよ。
あたたかくもなくて甘くもない、ほんとうの海を。

淡い紅いアザレアと指先。
甘い曖昧――触れたらきっと変わるから。

心から体まで、繋がらない言葉が駆け巡る
――たったひとつだけ伝えたくて。
その胸にあの海を抱えてここまできてよ。
あたたかくもなくて甘くもない、ほんとうの海を。
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