ローレライの唄

愛で溢れた言葉たちがそろり蔓延した
真っ白い空気が私を包み込む
誰かのためと労わるのは何の為?
煩わしさと現実を見たくないだけでしょう

安全レバーを下げてしまったら
アトラクションはもう止まれない
人身事故も誰かにとってはただの迷惑さ

いつまでもローレライ
ここに縛られて歌ってる
風が吹いたらそのときもう一度
私を見てよその固まった両目をさ
いつかこの手で。

深く澱んだ黄土色の指先儚く
心を亡くしてもまだ求めてる

電柱に落書きを描いて
自己愛をどこまでも
主張して隣の芝生を赤く塗り替える

いつまでもローレライ
ここに縛られて歌ってる
それしか取り柄のない身体だから
私を見てよ陽も射さない部屋の隅で
いつの間にか水を浴び過ぎて

枯れてしまったの
何処にいるのかも知らないから
私はこの愛を誰に宛てればいいの?

いつまでもローレライ
ここに縛られて歌ってる
風が吹いたらそのときもう一度
私を見てよありふれた幸せでいい
いつか来る日を待った

私はローレライ
ここに縛られて歌っても
唯独りあなただけを愛して
風吹く真昼の月に浮かぶその日まで
いつか……この手を
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